建築家の予算に合わないデザイン

画像をクリックすれば、外部サイトにて再生されます。

 

YouTube動画(780万回再生!)で見つけたデザイナーに頼んで大失敗した例。雨漏りも激しく、配管不具合、夏暑く、冬寒い、かなり悲惨状態です。

一般人がこれを試聴すれば、とんでもない施工業者(or設計者)だということになりますが、事態はそう簡単に判断できないんです。

ついに解体することになったそうですが、私ならリフォームで直せたかもです。

しかし、ここまでは中々ない事例ですが、こんな失敗に近しい事例は古今東西枚挙にいとまがないでしょう。

なぜかといえば建築家という方は大概に、納まり(専門用語ですみません、オサマリと読みます)が解ってないからです。

それどころか、そんなのは施工業者が考えるものだと思っている大先生もおられます。

滋賀県大津に大津プリンスホテルというガラス張りの超高層ホテルがあります。設計は東京都庁舎を設計した世界的建築家丹下健三です。施工は鹿島建設。丹下さんはホテルの設計で書いた図面は10枚未満だと噂されています。あとは技術力(納まりがわかっている)ゼネコンは、はい先生これで宜しいでしょうか?とお伺いを立てながら設計の補完をしていくわけです。

建物は紙細工ではありません、風雨や人に耐える構造を持たないとダメなのです。

動画のデザインを実現するスキルは並大抵ではありません。その辺の工務店では無理、マンション等を請け負う地元の中規模ゼネコンでも無理、美術館や公共建築の経験が豊富な中規模以上のゼネコンくらいですねできるのは。

もちろん、費用も嵩むわけです。

オーナーさんも予算があることですから、設計者が予算にあったデザインをできなかったとも言えますし、施工会社をどのように選択したのかも謎です。

オーナーさんの知り合いかもしれませんし、もしそうなら設計者は、あんなヘボい建設会社を連れてきたオーナーが悪いということにもなります。

入札なら、入札時にどれだけの図面が用意されていたかも、設計側に確認しないといけませんし。

こんなにひどくなるケースでは設計者が施工会社を連れてきたのではないことは確かです。

なぜならそのケースなら、この先生(設計者はそう呼ばれる)のデザインはこのくらいの予算がかかるぞってわかっているから、無理してやりません。

また、建設会社が資金繰りが厳しく無理を承知で請け負う最悪なケースもあります。

やりながら施主や設計者が妥協してくれるだろうと。

実際、公共建築ではそんなケースがしょっ中ですし。

あと設計者が結んだ契約が、設計だけの契約か、工事監理(工事中も建設会社の作業を監督する)にもよります。

まあ、このように色々あるわけでして、動画だけで芸術的建築家や工事会社の力量を判断してはいけません。

 

 

 

さて私ならこの事態を回避できた方法を考えてみますと。

もし私が設計者なら、、、予算いあった中でデザインします。以上。

もし私が建設業者なら、、、設計変更に応じないとやりません。

設計士に通常の収まりを中心としたデザイン変更を求め、こちらで再設計します。

 

実際の経験談ですが、デザイナーさんが書いた図面で見積もると5000万円。

私が手を加えて標準的な収まりで再提案すると3000万円に収まった例もあります。

この場合は、デザイナー=施主のケースでしたので、奥様が建て替えたい気持ちが強く猛プッシュもありスムーズに予算削減に成功しました。